ジャン・プルーヴェの“最後の家具”
Jean Prouve(ジャン・プルーヴェ)によってデザインされたCompas Direction(コンパス ディレクション)は、スチール製の脚がコンパス(フランス語で‘le compas’ )の針を端的に表現しています。
プルーヴェほど構造にこだわり単調になりがちなテーブルにデザインの幅を与えた人はいないでしょう。最大の革新は、天板の内側から外側へと斜めに伸びる脚部を採用したことです。1953年に発表された「コンパスシリーズ」のテーブルは、プルーヴェ”最後の家具”ともいわれています。当時、フランス南部・ナンシーの工房はプルーヴェの手から離れアルミニウム会社の子会社となっていました。同年、プルーヴェ自身も会社を離れていたので過去のデザインの権利はその子会社が所有していたことになります。晩年のプルーヴェはナンシーを離れパリへと活動拠点を移し、教鞭を執りながら建築分野で活躍していました。
軽やかですっきりとした、アシンメトリーの脚
コンパスシリーズはシンプルな仕上げでコンパス構造が強調されており、シンメトリーの「テーブル」「組立式のモデル」アシンメトリーの「デスク」と、商品化されていないシリーズも含め様々なデザインがされていました。その中からデスクタイプが「コンパス ディレクション」としてが復刻されています。幅125cm奥行60cmという使いやすいサイズで脚がアシンメトリーとなっていますので壁面にスッキリと収納することができます。安定感のある構造ながらも脚先へ向けて細くなっているデザインのため、軽やかな印象に仕上がっている点は、さすがプルーヴェです。
天板木材の種類はナチュラルオーク、スモークドオーク、アメリカンウォルナットの3種類です。スチール製の脚部は全部で5色。スタンダードチェアと同じカラーバリエーションとなっていますので合わせると一層美しさが際立つことでしょう。