月刊  「マスターピースとわたし」(8) - 家族を受け入れる椅子/[すべて正規品]デザイナーズ家具・ブランド家具通販・北欧家具通販【H.L.D】

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H.L.D. オンラインストア スタッフが、
毎月ひとつの名作=マスターピースに思いを馳せるコラムです。
肩の力を抜いて、普段のページではあまり書くことのないようなことを語ります。

仕事や家事のひと休憩や、帰宅中の電車の中、くつろぎの時間の合間など
是非、気軽にご覧ください。

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第8回家族を受け入れる椅子

いわずと知れた、この椅子。 「デンマーク」だけでなくもっと大きな括りで「北欧」を代表する椅子の一つ。同じヤコブセンのデザインでは、「セブンチェア」や「グランプリチェア」と並んで人気です。

デザイナーのアルネ・ヤコブセンは、多くの有名家具だけでなく、国を代表するような建物、そして、食器や時計もデザインしました。まさに「巨匠」であり、北欧デザインの「神様」だと勝手に思っています。性格もかなりこだわりが強かったよう。でも私の中では「神様」ですし、凡人とは違ってほしいし、カリスマ性をもとめてしまいます。ヤコブセンの逸話を知ったり聞いたりする度に、より彼と彼のデザインに興味を持つようになりました。



「アントチェア」は、1952年に世界初となる成型合板による背座一体の椅子としてFRITZ HANSENから商品化された椅子です。私が、「セブンチェア」や「グランプリチェア」でもなく「アントチェア」を自宅用に選んだ理由は、単純です。そのデザインです。名前のとおり、アリのような形。他の2脚に比べて、小ぶりであったことも決め手でした。様々な仕様が選べますが、そこはやっぱり「黒」を選択。アリゆえに、です。

個人的にアリも昆虫の中では好きです。一生懸命、家族や仲間の為に列をなして、食料を運ぶ様も健気だと、人間本位な目線で子供の頃から見ていますし、童話“アリとキリギリス”では真面目で優しくありながら、きっちりとキリギリスに遊んだ代償をわからせるところも好きです。



そんな誠に個人的な思い入れがある我が家のアントチェア。今では子供たちの椅子となっています。子供用チェアもあるのですが、この椅子に座りたがるのです。椅子を占領されて仕方なく私は、子供用チェアに座り、お菓子を食べている子供たちを見守ります。
しかし、デザインの力とも言いましょうか?子供がちょこんとアントチェアに座っている姿はとても可愛らしく微笑ましく、とても穏やかな時間が流れます。

時に子供たちは、納豆を食べた手やナポリタンでベトベトになった手で、アントチェアに容赦なく触りますが、濡れ布巾でさっと拭いてしまえば、気にならなくなるのもこの穏やかな時間を作ってくれる理由でしょうか。



今は、子供たちの成長が私の日々の中心です。この椅子は、そんな家族の日々を見守り、受け入れてくれています。誰も座らない時も、まるでアリの家族が集まっているように不思議と見えてしまうのです。子供たちが座らなくなっても、この椅子は変わらず、むしろ色濃く、子供たちの思い出を物語ってくれることでしょう。

(text:オンラインスタッフ H)