月刊  「マスターピースとわたし」(10) - はじまりの椅子/[すべて正規品]デザイナーズ家具・ブランド家具通販・北欧家具通販【H.L.D】

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H.L.D. オンラインストア スタッフが、
毎月ひとつの名作=マスターピースに思いを馳せるコラムです。
肩の力を抜いて、普段のページではあまり書くことのないようなことを語ります。

仕事や家事のひと休憩や、帰宅中の電車の中、くつろぎの時間の合間など
是非、気軽にご覧ください。

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第10回はじまりの椅子

アルネ・ヤコブセンの「セブンチェア」。この椅子は世界で700万台以上販売されており、“セブンチェアを超える椅子は未だに存在しない”と言われるほどの名作です。今回は、そんな名作とわたしの出会いのお話です。



わたしの日常にはいつもセブンチェアがありました。
といっても、自宅ではなく、祖母が営んでいるお店にですが。母もそこで働いていたので、幼い頃からお店を出入りしたり、仕事が終わるのをこのセブンチェアに座ってよく待っていました。その頃は椅子の名前も知らない物心ついたばかりのこどもでしたが、お店に何十年置かれていても色あせることのない、その洗練された美しいデザインに、不思議な魅力を感じていました。

中学生の頃になると、母が「セブンチェア」という名前の椅子だということを教えてくれ、図書館で名作椅子を紹介した本を借りました。名前しか知らなかった椅子に、アルネ・ヤコブセンというデンマーク人の建築家がデザインしたこと、セブンチェアの前にアリンコチェアという椅子をデザインしており、アリンコチェアで得た経験からセブンは誕生した…などの背景が加わり、セブンチェアが私の中でさらに特別な椅子になりました。



そこからは数珠つなぎのように、椅子や家具・デザイン・建築の本を図書館で片っ端から借りる日々。無駄のない美しく洗練されたデザイン、それらのバックボーンを知ることがただただ楽しかったのを覚えています。そして、いつしか大好きな家具についてもっと知ることのできる仕事に就くことが夢になり、家具やデザインなどを学校で学ぶことにしました。そして、それらを学ぶ中でやはり家具が一番好きなのだと再認識し、この道に進みました。



今の自分があるのも、ヤコブセンとフリッツ・ハンセンがセブンチェアを発表したからであり、何か一つでも、少しでも変わっていたら私は今このコラムを書くことも無く、まったく別の人生を送っていたことだと思います。そう思うと、「セブンチェア」は私にとって人生を導いてくれた”はじまりの椅子”であり、これまでもこれからも特別な椅子であり続けるのです。
そしてここから、ひとりでも多くの方と家具との素敵な出会いを細やかながらお手伝いできればとも思います。

(text:オンラインスタッフ Y)