月刊  「マスターピースとわたし」(17) - 最高のパートナー/[すべて正規品]デザイナーズ家具・ブランド家具通販・北欧家具通販【H.L.D】

CATEGORY/カテゴリー

DESIGNER/デザイナー

CONTACT/お問合せ

メールでのお問合せ 実店舗のご案内

定休:
土曜日・日曜日・祝日

REAL SHOP/実店舗

実店舗のご案内

CONTRACT/コントラクト事業

コントラクト事業のご案内

H.L.D. オンラインストア スタッフが、
毎月ひとつの名作=マスターピースに思いを馳せるコラムです。
肩の力を抜いて、普段のページではあまり書くことのないようなことを語ります。

仕事や家事のひと休憩や、帰宅中の電車の中、くつろぎの時間の合間など
是非、気軽にご覧ください。

目次へ

第17回 最高のパートナー

皆さんは、座った瞬間に「これだ!」と思うほど、衝撃的な椅子との出会いはありますか?

私はこれまでの人生で一度だけあります。
それはまるで、“自分のために作られたのでは?”と錯覚するくらいにしっくり馴染む、最高の座り心地の椅子。いえ、「最高のパートナー」との出会いでした。

私は身長が少し低いので、椅子との相性が悪いと腰を痛めてしまうことがあります。“自分に合う椅子なんてないのかも…”と半ばあきらめていた時に、この椅子と出会いました。座った瞬間にしっくり体になじむという椅子ははじめてで、とても衝撃だったことを今でも覚えています。



そんな私の最高のパートナーは、PP Moblorの「PP68」。
通称”ラストダイニングチェア”と呼ばれ、1987年にハンスJ・ウェグナーが40年の年月と500脚以上の椅子を手がけた中で最後に生み出した、彼のキャリアのすべてが詰まったチェアです。

ウェグナー作品に多く見られる、背もたれと肘掛けを併せ持った笠木とペーパーコードがとてもシンプルなダイニングチェア。ただシンプルなだけではなく、コンパクトなサイズや、笠木とそこにつながる後ろ脚に施された美しい窪み、程よく短いアームや低めのシートハイなど…その魅力は挙げるとキリがありません。ウェグナーのこれまでの経験に基づいたきめ細やかな工夫と、それを叶えた職人の技が1脚に凝縮されているとても贅沢な椅子なのです。



ウェグナー自身もラストダイニングチェアについて、『自分がデザインしてきた椅子のありとあらゆる “いいところ” を生かした椅子。』と語っています。自身の苦労を鼻にかけず、“いいところ” という温かで柔らかな言葉で表現している所に、彼の素敵な人柄を垣間見ることができます。

彼のこれまでの経験で培われてきた”いいところ”は、時代や国、性別を超えて世界中の多くの人に座られることで伝わっている。そして、今日もどこかで誰かの「最高のパートナー」となっている…そう思うと、ロマンを感じ何だかわくわくもしてくるのです。



そして、私もそんなウェグナーの椅子の“いいところ”のおかげで、今は快適に過ごせています。
私の場合はPP68でしたが、長い歴史の中で様々なデザイナーが使い手のことを考えてデザインしたチェアが数多く存在します。理想的な座り心地の「最高のパートナー」を、皆さんも是非、見つけてみてください。

(text:オンラインスタッフ Y)