月刊  「マスターピースとわたし」(22) - 街角を照らすデザイン/[すべて正規品]デザイナーズ家具・ブランド家具通販・北欧家具通販【H.L.D】

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H.L.D. オンラインストア スタッフが、
毎月ひとつの名作=マスターピースに思いを馳せるコラムです。
肩の力を抜いて、普段のページではあまり書くことのないようなことを語ります。

仕事や家事のひと休憩や、帰宅中の電車の中、くつろぎの時間の合間など
是非、気軽にご覧ください。

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第22回 街角を照らすデザイン

歴史的背景から、日常にデザインが根付いているデンマーク。その街並みには、様々な名作照明が風景に溶け込んでいます。長くて暗い冬を少しでも明るく心地よく過ごすために、特に照明においてはデザインだけでなく機能が合わさったものが数多く生み出されました。その多くは建物になじみ、街並みや景観をより美しく引き立て、人々の生活を優しく照らしています。

日本の明るく賑やかな光景に見慣れてしまっていましたが、旅行ではじめてデンマークの街角の光景を見たときに、こんなにも素敵な日常があるなんてと心を奪われてしまいました。



また、デンマークは窓にカーテンが付いていない家も多く、窓を額縁の様にして家の中を絵や写真のように見立て、外からも光景も楽しんでいるそうです。そのような光景も街を彩る一部となっていて、デンマークの人々の美意識や感性も含め、さらに好きになってしまいました。



その中でも、とりわけ素敵だと感じた街並みの景色が、美しい緑青を帯びた「PH Wall」のある光景です。それは、60年以上使われているというレジェンド級のランプで、長く使われている建物とともに、経年でしか出せない唯一無二の存在感を漂わせ、美術品のような風格を持ちつつも温かく街を照らしていました。

PH Wallは無垢の銅で出来ているため、風雨にさらされると銅と雨の水分や塩分と反応し酸化をすることで緑青(青錆)を形成します。ただ、緑青は経年で形成されるもので、ここまで見事なものは数十年以上の年月が必要。月日を経て変化していく姿を美しいとし、誰もが楽しむことができるとは。そして、このような光景が一つではなく、あちらこちらで見ることができる。何て素敵な日常なのでしょうか…。



H.L.D.の実店舗にも入り口にPH Wallがあり、手前味噌ですが趣を感じられるようでとても素敵だなと思っています。10年ちょっと飾られていて、少しずつ緑青も出てきました。日々より良い表情になっていっており、成長を観察するのが密かな楽しみでもあります。特に雨の日の夕暮れ時は、空気中の無駄なものが洗い流されてその美しさとオレンジ色の灯りがより引き立ち、どこかほっと一息つけるような光景となっています。

日本では強い光に照らされて、せかせかとして疲れている人が多いように感じます。理由は人によって様々だと思いますが、こころからホッとできるような温かみのある光景が身近から失われているようにも思うのです。こういった時代だからこそ、PH Wallのある光景のような、足を止めて深呼吸できるようなものがもっと日常に増えると良いなと思います。

H.L.D.に来店される際や、店舗の前を通り過ぎるだけの時でも、是非PH Wallをご覧ください。少しずつ変わっていく姿が、皆さんの心の落ち着く場所になれたら嬉しいです。

(text:オンラインスタッフ Y)