環境について、
家具はなにが
出来るだろう?
暮らしの中で欠かせない存在である家具や雑貨。
それらが作られるためには素材となる“資源”が必要です。
しかし、地球環境の変化により、その資源が危ぶまれる状況が少しずつ近づいています。
ここ数年で様々なブランドが “サステナブル” に特化した製品を発表しています。
「持続可能」「ずっと続けていける」という意味を持つサステナブル製品は、
環境問題や労働問題などを解決する取り組みとして注目されています。
ここでは、環境問題に対して家具ができること、そしてそれによって生まれた
サステナブル家具・雑貨をご紹介します。
for theSea
海の環境について考える
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for theLife
暮らしの環境について考える
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for theForest
森林の環境について考える
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other item
プラスチックや木材だけでなく、瓶やコーヒー殻、端材などを使って作られている製品や、森林を守りながら生産できるコルク材を使用した製品もございます。
CONSIOUS CHAIR 3162brand:mater | designer:Borge Mogensen&Esben Klint
椅子の座面と背もたれにコーヒー殻や木くずといった廃棄物を再生プラスチックと混合した独自の素材「Maket」を使用。さらに、脚部分はFSC認証を獲得したオーク材やビーチ材を使用している。
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Bowl Tablebrand:mater | designer:Ayush Kasliwal
収穫を終えて廃棄されてしまうマンゴーの木を再利用。工業化によって職を失った職人の熟練 した技術により作られている。廃材利用と雇用創出の面での支援に繋がる。
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Ocean Lounge Chair OC Greenbrand:mater | designer:Nanna Ditzel
カールスバーグ社の使用済みビール樽を再生したプラスティックを使用。1脚のチェアに対して1120gのビール樽を使用している。
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Repadbrand:Vitra | designer:Ronan&Erwan Bouroullec
家具製造の際に出るレザーの端材を細し、植物性なめし剤・天然ゴム・油脂・水を加えて混ぜ合わせ、圧縮した後に乾燥させた“ボンデッドレザー”で作られている。無数の斑点模様が特徴的。
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Cork Familybrand:Vitra | designer:Jasper Morrison
コルク樫という木の樹皮から作られている。原木を伐採せず、樹皮を一度採った後に再生した樹皮から再びコルクが採れるので、森林環境を守りながら生産することができる。
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ZA STOOLbrand:Emeco | designer:Naoto Fukasawa
約80〜85%がリサイクルされた再生アルミニウムを使用。飲料用のアルミ缶と工業スクラップの リサイクルで作られている。アルミニウムは、地金を生産する消費エネルギーのわずか5%程のエネルギーで簡単に再生が可能。
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environmental initiatives
ここでは、環境に対してメーカーが取り組んでいることをご紹介します。
耐久性とデザイン双方の観点から長い年月使い続けることができる製品を開発しており、 1980年代半ばからは、工場やオフィスでのエネルギー消費量の削減や自然エネルギーへの投資を行っています。 ヴィトラ製品に使用されるアルミニウムの90%はリサイクルされ、 革やコルクなどの原材料は環境へ配慮したヨーロッパのパートナー企業から調達しています。また、Tip Ton REなどの「Re」が付く製品は、ドイツの「イエローバッグ」プログラムで回収された再生プラスチックを使用し、既存製品を再生素材への置き換えを進めています。
製品の90%をFSC認証木材で占めており、2025年には100%を目指しています。また、木材の表面塗装に用いられるソープやオイルは生物分解が可能な植物性の材料を使用しており、水溶性ラッカーを使用した製品を展開することで地球及び製造スタッフの健康配慮も行っています。ブルーエンジェル(世界で初めて導入されたドイツのエコラベル制度)を獲得したレザーを使用し、端材をホームアクセサリーへ加工やペーパーコードは梱包に使用しています。製品のリペアもメーカー独自で行っており、長く使い続けることができる体制も整えています。
再生プラスチックを使用したN02リサイクル や、NAP、DROPといったリサイクル可能なプラスチックシェルを使用した製品の開発を行っています。また、ポーランドのラビチ工場ではカーボンニュートラルやグリーン電力を使用した環境負荷の少ない生産を行い、リサイクル可能な梱包素材を使用しています。2022年に傘下に入ったスカゲラックは、FSC認証材を93%使用しており、2025年には100%達成を目指しているほか、B-CORP認証も2017年に取得しており、生産の段階からの環境負荷の軽減を行っています。
海洋プラスチックに関係するサプライチェーンのグローバルネットワーク「NextWave Plastics」の創設メンバーとして、海洋プラスチックをチェアの50%以上に使用した、アーロンチェアやセイルチェアを発売しています。また、再生プラスチックを100%使用したイームズシェルチェアも発売し、プラスチックごみの削減に力を入れています。環境保護の認証を受けられる製品のみをデザインするといった、目標も掲げています。
2006 年に持続可能性を核に組み込んだ先駆的な世界的ブランドとなることを目指して設立され、環境に配慮した製品を生み出しています。海洋廃棄物の漁師網や、カールスバーグ社の使用済ビール樽をリサイクルしたoceanシリーズや、廃材やコーヒーかす・おがくずを利用したbowl table などがあり、使用後の回収・リサイクルといった循環の面にも着手をしています。
サステナビリティ専門の部署を設け、製品1つを製作するのに出るCO2排出量を計算や推進を行っています。2023年には、梱包材が100%FSC認証材使用となり、2025年には使用木材の100%をFSC認証に置き換えを進めています。また、 再生プラスチックを使用したチェア「PATO」など木材以外にもサステナブルな家具を展開しています。
計画植林を行う森の木のみ使用し、1脚購入で植樹がなされ森林環境の保全をおこなっています。地元の協力会社と3社合同で「PPの森」という森林を育成しています。木材に対してラッカーではなく石鹸処理を推進し、合成フォームではなく天然素材の使用を拡大しており、環境と人にやさしい製品を作っています。また、生産時に発生する廃木材を使用して作業場を暖房し、毎年少なくとも 40 トンの CO2 排出量を節約しています。
製品のライフサイクル全体に責任を負い、製品寿命を最大限に引き出すためにエネルギー消費を抑えるLED技術を取り入れた製品開発・改良をおこなっています。また、欧州全域で電子廃棄物を再利用するELRETURの一員として、PH 5やVL45ラジオハウスペンダントなど一部の製品は100%分解して再利用が出来るように設計。その他、梱包用段ボールにリサイクル材・FSC認証材を使用しています。
家具と暮らしの、これから
目の前の環境問題に対して、独自のリサイクル素材を開発したり、環境プロジェクトに参加するなど持続可能な製品づくりを様々なメーカーが取り組んでいます。サステナブル家具を暮らしに取り入れるということは、環境保全を支援し、自分たちの暮らしのこれからを作ることにも繋がります。
自分で家具を買うとき、お店で家具を見るとき、少し素材のことにも目を向けてみてください。環境に対するメーカーの努力、その素材を作る技術、そして環境のことが見えてくるはずです。