世界初の"完全一体型"の椅子となった名作
デンマークのデザイナーVerner Panton(ヴェルナー・パントン)が1967年にデザインした、通称「Panton Chair(パントンチェア)」。1967年、世界で初めて作られた完全一体型の椅子として発表され、現在でも多くのファンを持つミッドセンチュリーを代表する名作となっています。
ヴェルナー・パントンがこの椅子を完成させるまでには、構想から10年以上もの歳月が費やされ、共同開発を行ったヴィトラにとっても自社初のオリジナル家具となった、両者にとって思い深い1脚です。
開発当時はまだ木製家具が主流で、プラスチックを素材として使用するには技術が追いつかない時代。それまでの椅子の概念を覆す、革新的なアイディアを取り入れたパントンチェアは、世界初の完全一体型の椅子として反響を呼び、その後プラスチックチェアの先駆けとなっていきました。
従来の椅子のような4本の脚がないため、一見すると不安定に見えますが、バネのような適度なしなりを持っていますので身体のラインに沿って優しくフィットします。プラスチック素材ならではの彫刻的で優美な曲線は、見るものを引きつける強さを持っていますので、いつまでも眺めていたくなる逸品です。
2021年、パントンチェアのカラーがリニューアルしました。より現代の暮らしに合うカラーリングになっています。また、今回シートの形状も現代のニーズに合わせて改良が施されました。座面の高さとバックレストの角度が調整され、よりダイニングチェアとして使いやすいようになりました。さらに、素材は100%リサイクルが可能なポリプロピレンを使用しています。