色褪せることのない、美しい照明たち
建築家兼デザイナーのポール・ヘニングセンが初めて照明のデザインを手掛けたのは、1926年のこと。
それ以降、アルヴァ・アアルトやアルネ・ヤコブセン、ジョージ・ネルソンといったデザイナーたちが
照明作品を発表し、現在では「デザイナーズ照明」と呼ばれる名作が数多く存在します。
何十年も前に生まれた照明たちは、現代に暮らす私たちをなぜこんなにも魅了するのでしょうか。
効率良く明かりを灯すこと、暮らしの中で光が負担にならないこと、そしていつまでも眺めていたくなる美しさ。
改めて名作と呼ばれる照明たちを見つめ直すと、新しい発見があるかもしれません。
この特集では「あのひとの、あの照明。」と題して、今なお色褪せない名作たちをご紹介します。
完璧な美を追求した光の数学者
Poul Henningsen
1920年代当時、白熱電球の開発が急速に進む中、その形状やサイズが日々変更されていくことに疑問を抱いたポール・ヘニングセンは、どの光源に対しても使用できる照明器具を研究。対数螺旋を応用し光を数学的に解析することで、最終的にPH5が完成。
北欧モダニズムの完璧主義者
Arne Jacobsen
近代化の思想を建築に取り入れ、自身の設計する建築空間の細部まで監修し、家具の他、照明器具、ドアノブ、水栓器具、カトラリーまで、その範囲は多岐に渡る。一貫した哲学とモダンなデザインは周囲から反感を受けるも、現在ではどれも名作となっている。
フィンランドの国民的建築家
Alvar Aalto
バウハウスの影響を受けながらも、フィンランドの風土と習慣に根付いたものづくりに軸を置き、独立したばかりの母国を建築から支える。機能的・効率的なアプローチではあるが、素材の選定や色使いは自然に調和し、愛嬌のあるフォルムで人々の心を和ませた。
デンマークモダニズムの父
Vilhelm Lauritzen
フレデリクスベアにある国営放送局“ラジオハウス”やコンサートホール“Vega”、ワシントンDCにあるデンマーク大使館など当時は画期的とされた名作建築を数多く手がける。“空間や形状は何世代も持ちこたえるべき”という明確な思想の上でデザインをしている。
イタリア生まれの革命的工業デザイナー
Achille Castiglioni
アレッシィやカルテル、ザノッタなどイタリアを代表する企業で家具やインテリア用品のデザインを手掛ける。1962年のフロス創設時には新素材を用いた照明のデザインを担当。手掛けた作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめ数多くの美術館に所蔵されている。
\ あのひとがデザインした照明 /
-
Verner Panton
キノコのような
白く浮きあがる灯 -
Kaare Klint
クリント家が誇る
繊細なプリーツ -
Jean Prouve
プルーヴェの照明
お見逃しなく。 -
Jasper Morrison
究極にシンプルな
球体型の照明 -
Cecilie Manz
静寂な色彩が生む
現代のモダンデザイン -
Aino Aalto
妻・アイノが手掛ける
マイレア邸の名作 -
Christian Dell
受け継がれる
バウハウスの秀作 -
Bernard-Albin
Grasコルビュジエが
愛した照明 -
George Nelson
職人技が支える
ネルソンの閃き -
Bent Karlby
帽子をイメージした
有機的な曲線 -
Antonio Citterio
機能性にこだわった
タスクライトの名作 -
Miguel Milá
伝統的なランタンが
モチーフの代表作 -
Jo Hammerborg
時を経て蘇った
デンマークの灯 -
Mario Bellini
アルミシートで
明かりを包みこむ -
Oki Sato
ネンドが考える
エレガントな機能美 -
Konstantin
Grcic取っ手のついた
マスコットスタンド -
Jorn Utzon
オペラ・ハウスより前に
デザインされた作品 -
Øivind Slaatto
永遠の美しさ
フィボナッチの光 -
Barber & Osgerby
空間を明るくする
ポップなカラー -
Michael Anastassiades
細長の棒と球体の
絶妙なバランス