ルイス・ポールセンを代表する、照明の名作
Louis Poulsen(ルイスポールセン)の基礎を築いた照明デザインのパイオニアで、近代照明の父とも呼ばれるPoul Henningsen(ポールへニングセン)により1958年にデザインされたPH 5。へニングセンの光に関する考察を元に生まれた美しさと機能性、そして品質の全ての要素を兼ね備えた20世紀を代表するプロダクトです。
両者の協力関係は1925年のパリ万博に出品した3枚のシェードからなるテーブルランプにはじまり、この作品をリ・デザインしたペンダントランプが次々と生まれ、1958年に発表されたのがこのPH 5です。日本では特に人気が高く、2016年にその著名性が認められて立体商標として登録されています。
PH 5 の最大の特徴は、光の調和を考えて生まれたグレアフリーデザインです。大小サイズの重なるシェードは、電球自体を包み込む構造になっています。また眩しさのない心地よい光を生むために、すべてのシェードの内側にフロスト加工が施されているため、光源はフロスト加工されたシェード内面で柔らかく反射され、効率かつ上質な光で空間を満たします。
光をかたちづくるデザイン
生涯の大半を光のコントロールに関する考察へ捧げたポール・へニングセンは、対数螺旋を持つシェードが照明器具として最も適していると考え、光の計算と試行を根気強く繰り返しました。その結果、PHランプのシェードは、光の形、反射、グレアフリーの諸条件をクリアした最良の形状として世に生まれました。
2018年にルイスポールセンはPH 5の誕生60年を記念し、色彩の専門家であるルイーズ・サスの下、クラシック・ホワイトとモダン・ホワイトの2つの白、そしてオレンジ、ローズ、レッド、グリーン、ブルー、グレーの6色の大胆なカラーへ一新しました。60年の間にカラー変更は幾度となく行われてきましたがバリエーションの多さは歴代トップです。LED電球の技術開発が進んでいる現代だからこそ、光の質を損なうことなくインテリアとしてもより楽しめるようなカラーバリエーションとなっています。
時代のトレンドを追いながらも照明器具としてスタンダードを守るPH 5。
色褪せることないクラシックな雰囲気を大切にしたい方には、クラシック・ホワイトがやはり定番なのかもしれません。