「ラジオハウス」のためにデザインされたペンダントランプ
VL Ring Crown(VLリングクラウン)シリーズは、建築家のVilhelm Lauritzen(ヴィルヘルム・ラウリッツェン)によって1941年に竣工されたコペンハーゲンのデンマーク放送局(ラジオハウス)のためにデザインされた照明に由来しています。しかし、ラジオハウスで実際に使用されたのは、ウォールタイプや1灯用のペンダントで複数用のリングクラウンは使用されませんでした。その後まもなくして当時の図面に基づき商品として発表され、2019年に再生産となっています。
フィン・ユールが生んだベストセラー
当時、ラウリッツェンの事務所に務めていたFinn Juhl(フィン・ユール)が、1947年にB&G旗艦店のインテリアデザインを担当しエカースベア・メダル(デンマーク王立芸術アカデミーが1883年以来毎年授与する賞)を授与しています。実はこのプロジェクトで始めてフィン・ユールがリングクラウンを使用しています。それ以来、リングクラウンはベストセラーとなりました。
1953年、ルイスポールセンの広報誌『NYT』で、ラウリッツェンはポール・ヘニングセンに次のように述べていると記録が残っています。
「照明器具は、ホコリを払うのが簡単で底に塵が集まらず、ダメージを受けてもすぐに壊れず、電球交換が簡単で調光しなくても眩しくなく、そして下向きに光を集め同時に空間全体も柔らかく照らすことが必要です。また、外観が清楚であることも大切です」
へニングセンの思想を継承しつつもラウリッツェン独自の思想が取入れられたデザインとなっています。
柔らかな光を灯す、乳白色のガラスシェード
乳白光沢ガラスのシェード、金属部分は真鍮、サテンポリッシュ仕上(無塗装)となっています。ハンドメイドの吹きガラスは、3層構造となっており、最内層と最外層は透明に磨かれたガラスに中間層の乳白色ガラスが挟み込まれています。真鍮の表面は塗装をしていないため時間の経過とともに味わい深く変化していきます。また、ガラスシェードの質量には個体差(600-800g)がございますので予めご了承くださいませ。
シェード1灯に関しては、引掛けシーリング仕様となっていますので、ご自宅でもご使用いただけます。φ19cmの小ぶりなサイズですので、直径80cm程度の円テーブルや、長方形のテーブル(15cm程度)2灯吊り、またサイドテーブル脇にさり気なく吊るしてあげるのも、とても素敵だと思います。