快適な座り心地と伸縮性にこだわった、背座一体のオフィスチェア

ミラノを拠点に活躍するデザイナーAlberto Meda（アルベルト・メダ）が2012年に発表したオフィスチェア「Physix（フィジックス）」。2本のフレームの間に1枚の網状のファブリックを張ることによって、背面と座面が一体となった構造です。
背座が一体となった椅子は、ミース・ファン・デル・ローエをはじめ、アルヴァ・アアルト、ハンス・コレーなど様々なデザイナーが成形合板やスチール、プラスチックなどを使って開発してきました。伸縮性のあるニット素材を用いたフィジックスは、先駆者たちの偉業に、現代的なテイストを用いた新たな名作として愛されています。

この椅子の誕生の背景には、オフィスチェアのルーツといえる「イームズ アルミナムチェア」の存在があります。アルミナムチェアのデザイン的な美しさとシンプルさを併せ持った、オフィスチェアの象徴とも言える作品。椅子の両サイドの2本のフレームに生地を連続的に張り込み背座を作る構造は、このフィジックスにも影響を与えています。
フレームには柔軟性の高いプラスチックを使用することで、腰をかけたときに程よくしなり、快適な座り心地を実現。さらに、座面下のフレームを支える2本のブレース材からスプリングへと伝導します。これにより、荷重に合わせた柔軟で広範囲な動きとさらに細かい調整が可能になりました。

最後までこだわって検討したのが、椅子に張る生地でした。三次元の動きに対応するためには、強い張りと伸縮性が必要。検討を重ね、最終的にたどり着いたのが、多種の糸で編みこまれたニット素材です。伸縮性がある上に、丈夫。さらに透過性があることで軽やかな印象を与えます。

エンジニアとしてのキャリアを持つアルベルト・メダが提案する、快適性とデザイン性に優れたオフィスチェア。オフィスや自宅のワークスペースで、その座り心地を体感してください。