イギリス家具からヒントを得た伸長式テーブル
デンマークのデザイナー、ボーエ・モーエンセンが1958年に発表した「Library Table(ライブラリーテーブル)」。直線的な木製のフレームと天板で構成された、モーエンセンらしいシンプルかつモダンな伸長式のテーブルです。
伸長式のテーブルは、中央に伸長板を取り付けるものや“バタフライテーブル”と呼ばれる両端に取り付けられた伸長板を広げ、支えなどで固定するものが一般的によく見られます。
モーエンセンのライブラリーテーブルはそれらとは異なり、少しユニーク。蝶番でつながった2つの脚のフレームを本を開くように広げ、両端の伸長板を支えにしています。両端の伸長板を使うことで、テーブルの長さを2倍に伸ばすことができます。
この仕組みは、バロック時代にイギリスで流行した“ゲートレッグテーブル”からヒントを得たのだそうです。ゲートレッグテーブルの視覚的表現を省き、モノとしての機能とシンプルかつ使いやすさを重視したことで、どんな空間にも馴染む無駄のないシンプルなテーブルになりました。
素材には美しい木目と優れた耐久性を兼ね備えたオーク材を使用。控えめで静かな佇まい、そして素材へのこだわりが感じられる、モーエンセンらしい作品といえます。