ウェグナーが辿り着いた、最後のダイニングチェア
デンマークのデザイナー Hans J. Wegner(ハンス J. ウェグナー)が1987年に発表した「PP58」。これまで40年以上椅子を製作し、およそ400脚もの作品を発表してきたウェグナーが、人生最後に手掛けたダイニングチェアです。今までの経験がすべて詰まった“集大成”と言われており、“Last Dining Chair(ラストダイニングチェア)”という愛称で、長く愛され続けています。
ベースとなるモデルは、DFDSフェリー社の客船用の椅子としてデザインしたものでしたが、実際に採用されたのはPP208(現在のPP62)でした。
不採用となったモデルに改良を加え、PP62の背もたれとアーム、そしてPP505などに見られるウェグナーの名作チェアのフォルムを併せもったPP58として発表されました。
背もたれと肘掛けを併せもった笠木は、ウェグナー作品でも数多く見られましたが、背もたれ部分が広く作られているのでより支えやすくなっています。
肘掛け部分は短く作られているので、テーブル下に収納できるよう考えられています。
アニリンレザーを使用した座面は、長く使うほどに柔らかく、深みのある色に変化していきます。育てる楽しみもレザーの魅力のひとつです。
ウェグナーがたどり着いた、最後のダイニングチェア。その魅力を是非ご自宅で体感してください。