どんな姿でも美しい、スチールフレームの折りたたみスツール

デンマークのデザイナーPoul Kjærholm（ポール・ケアホルム）が1961年に発表した「PK91」。こちらの作品は1930年に恩師であるKaare Klint（コーア・クリント）がデザインしたフォールディングチェアへのリスペクトを込めて作られました。古代エジプト時代から存在していた折りたたみスツールがモチーフとなっており、コーア・クリントが提唱した“リ・デザイン”を自身の作品に落とし込んだようにも感じられます。

PK91の特徴は、接合部分から座面、脚元に向かってねじれたフレーム。デザインのアクセントにもなっているだけでなく、細く平たいフレームに強度を持たせる役割も担っています。さらに、一般的な折りたたみスツールは、2つのフレームを入れ子式にしているため、フレームがずれた形で折りたたまれますが、PK91はこのねじれによって、2つのフレームが重なるように折りたたまれ、使用しない時も美しいフォルムが保たれています。

ミニマルかつ機能的、それでいてどんな姿でも美しい。ケアホルムの構造に対する探求心が見事に具現化された名作といえます。