一切の無駄がない、洗練されたデザインのカンチレバーチェア
20世紀のモダニズム建築を代表する建築家Ludwig Mies van der Rohe(ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ)が1927年に発表した「MR Chair(MRチェア)」。スチールパイプを用いたカンチレバー構造のチェアです。同年に行われたヴァイセンホーフ住宅展覧会で発表され、その後5年の歳月をかけてMRコレクションを発表しました。
ミースのデザイン理念である“less-is-more(より少ないことは、より豊かである)”という言葉の通り、スチールパイプのカーブを前脚に置き換えることで、無駄のない洗練されたデザインを作り上げています。さらにこのカーブが程よいサスペンションを生み、弾力性のある座り心地となっています。素材にスチールパイプを選んだのは、バウハウス時代の仲間であった建築家 マルセル・ブロイヤーに影響を受けたとも言われています。
背座は厚手の牛革と籐(ラタン)の2種類。どちらも使い込むほどに柔らかくなり、深みのある色へ変化していきます。長く愛用いただき、その表情の変化をお楽しみください。