アルネ・ヤコブセンによる 洗練された美しいアッシュトレイ
デンマークを代表する建築家のひとり、Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)が1967年にデザインした「CYLINDA-LINE(シリンダライン)」シリーズ。ステンレス製の円筒形で統一されたデザインは、stelton(ステルトン)社を一躍有名にしただけでなく、1967年にデンマーク工業デザイン学会によるID賞、1968年に米国インテリアデザイナー協会による国際デザイン賞を受賞するなど、世界的に高く評価されました。
シリンダラインが誕生したきっかけは、1964年にヤコブセンの自邸で開かれた家族の夕食会でした。ヤコブセンの義理の息子であり、当時ステルトンのオーナーだったピーター・ホルムブラットが、ヤコブセンにホームバーやコーヒー、ティーアイテムのシリーズを作ってほしいと提案したそうです。その時ヤコブセンが紙ナプキンに描いたティーポットのイラストが、現在のシリンダラインに繋がります。
一見するとシンプルな佇まいですが、当時の技術では作ることが難しく、3年の月日をかけてシリンダラインシリーズを製造するためのまったく新しい技術を開発しました。製造が難しいと判断した際、ホルムフラッドはそのことをヤコブセンに伝えましたが、受け入れてくれなかったのだそう。ヤコブセンの妥協を許さないこだわりを感じさせるエピソードです。
こちらのアッシュトレイは、円筒形に半球型のトレイを組み合わせたシンプルなデザイン。持ち手を使ってトレイを回転させることで吸殻を下に落とすシンプルな構造です。周囲の空気をほとんど動かさないため、灰が舞い散ることがありません。 機能性とインテリア性を兼ね備えた灰皿です。