柔らかな明かりを灯す、ネルソンの名作ランプ
デザイナーのGeorge Nelson(ジョージ・ネルソン)が1952年に発表した「Nelson Bubble Lamp(ネルソン バブルランプ)」。どこか日本の明かりを思わせるような佇まいと、豊富なバリエーションが魅力です。
バブルランプが生まれたのは、スウェーデンの“ハンギングランプ”との出会いがきっかけでした。ワイヤー製のフレームにシルクを縫い付けて作られたハンギングランプを見たネルソンは“自身のオフィスに欲しい”と思うほど気に入ります。しかし、あまりに高額だったため購入を断念。その後も“どうしても欲しい”という気持ちが断ち切れませんでした。 そんな時、New York Times誌の記事で米軍が開発した噴霧式の樹脂製プラスチックの存在を知ります。さっそく樹脂製プラスチックのメーカーを自ら探し出し、自ら理想のハンギングランプを作ることにしたのです。2日間ほどで試作品を完成させ、“ネルソン バブルランプ”として現在も愛され続ける名作が誕生しました。
球状のフレームは、穴の開いたリングにスチールワイヤーを通して作られています。こうすることで、張力の下でもシェープを維持できます。さらに最小限のパーツで作ることができるうえに溶接コストもかかりません。そのフレームに蜘蛛の巣を張るように樹脂製のラッカーを吹き付けることで、和紙やシルクのような落ち着きのあるグローブ部分が完成します。シンプルかつ最小限の素材にこだわることで、美しいデザインと手ごろな価格を実現しました。
素材はそのままに、フレームを変化させることで様々なフォルムのランプになるのもバブルランプの特徴です。円盤型の「SAUCER」、球体型の「BALL」、葉巻を思わせる「CIGAR」、洋ナシをイメージした「PEARS」など、特徴的なフォルムのバリエーションだけでなく、フレームを規則的に交差させることでまた違った表情を見せる“CRISSCROSS タイプ”もございます。
過度な装飾のないバブルランプは、どんな空間にも馴染みます。日本の明かりのように和室で使用するのもおすすめです。